2018年12月15日に「アマゾンに暮らす人たちの生活から自然を学ぼう」を開催しました。
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イベントに関連して、アマゾンの先住民族の方達との出会いや文化についてご紹介するブログです。
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ヤノマミ族は,アマゾンの熱帯雨林に暮らす先住民族です.
人々が集まって暮らす村(以下,コミュニティー)は550に別れていて,人口は約4万人.
ブラジルからベネズエラまで,広く生活しています.
彼らの大きな特徴として,キノコを食べる食文化を持つことが挙げられます
近年,ヤノマミ族は大きな問題を抱えています.
5歳未満の乳児の死亡率が増加しているのです.(全体で約14%)
これは2007年の調査で明らかになりました.
ちなみに,日本は5歳未満の乳児死亡率は3%です(2017年現在.「世界子供白書」ユニセフ)
ブラジルの国立アマゾン研究所で,ヤノマミ族のキノコの研究をしているノエミアさんが教えてくれます.
「ヤノマミ族の食料が不足していることが大きな問題なんです.」
「特に,妊婦さんが栄養失調だと,生まれた子供の健康状態も悪くなってしまいます.それに,栄養失調で体が弱っていると,病気が深刻化してしまうこともあります.」
わたし「環境変化によって,動物の数が減ってしまったり,キノコの収穫量が減ってしまったということでしょうか?」
ノエミアさん「もちろんそうした問題もあると思います.でも,一番大きな変化は,森を移動生活するライフスタイルだったヤノマミ族が,便利な街の近くに定住するようになったことです.」
ヤノマミ族は,数年ごとに森を移動しながら暮らしています.
そうして,その土地で木を切って建材や薪にしたり,植物を使ってカゴを編んだり,生活に必要なものは森から得ています.
貴重なタンパク源のお肉は狩りで手に入れます.体が大きいバクをよく食べるそうです.
しかし,ヤノマミ族の食料の大部分はキノコだそうです.
森から食用のキノコを集めて,焼いたり,茹でたり,蒸したりして食べています.
「同じ場所に数十年間住み続けた結果,その土地の多様性が失われて,キノコが収穫できなくなりました.さらに,獲物も獲得できなくなって,タンパク源のお肉が食べられなくなります.こうした食料不足によって,子供達の死亡率が増加してしまいました.」
そこで,ヤノマミ族の生活支援のためにスタートしたのが,「キノコを街にはこぶ」プロジェクトです.
人類学者がヤノマミ族の元で5年間の調査を行なって,ライフスタイルと文化を学びました.
その結果,ヤノマミ族の食べているアマゾンのキノコが彼らの資産となり得ると考えました.
そして,ヤノマミ族の食べているキノコを街のレストランに運び,売り上げで生活に必要なものを支援するプロジェクトが始まりました.
ヤノマミ族によって集められたキノコは,サンパウロやリオデジャネイロなどの大きな街に運ばれて,ミシュラン星つきレストランをはじめとする有名店でキノコ料理として提供されています.
レストランに来たお客さんは,ヤノマミ族の作ったキノコを食べて,彼らの文化と現状を学ぶことができます.
そして,レストランでの売り上げをヤノマミ族が必要とする物品に変えて,コミュニティーまで届けます.
みなさん,このヤノマミ族のキノコはどんな味だろう,と気になりませんか?
わたしは,研究所の協力でヤノマミ族のキノコを日本に持ち帰りました.
12/15(土)第3回ワークショップでは,八重洲「とよだ」さんのご協力で,プロが作るヤノマミ族の「キノコ汁」の試食ができます.
キノコについて勉強したあとに,実際にヤノマミ族のキノコを食べられる,日本で唯一の機会です!
もちろん,キノコは研究所が監修していて,安全に管理されているので,ご安心ください.
プロの作った「ヤノマミ族のキノコ汁」を,この機会にぜひご試食ください!
ワークショップへの申し込みはこちらから受け付けております!
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