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フタユビナマケモノとの悲しい初対面

更新日:2021年10月29日

社)マナティー研究所の菊池夢美です.


マナウス滞在6日目となりました.


日中は雨も降らず,それはそれは暑い日々ですが,研究室内では冷房がガンガン聞いていて,寒くて頭痛がしています..


昨日の朝,国立アマゾン研究所に運び込まれたのは,1頭のフタユビナマケモノでした.

体の大きい大人のナマケモノです.


これまでに,森の中でミユビナマケモノしか出会ったことがない私は,


「ようやく出会えた!..でもどうしたんだろう?」


嬉しさと心配が入り混じった複雑な気持ちでした.


ここに運び込まれるということは,怪我をしているか,街の中で行き場がなくて保護されたか,です.





カゴの中で左前足1本と後ろ足2本でぶらさがろうとしていたフタユビナマケモノ.


「ああ,怪我をしているんだ..」


悲しい気持ちで近寄ってみると,右前足の立派な爪が根元から折れてしまい,すこし出血しているようでした.


どうしてこんな風に爪がボキリと折れてしまったのかわかりません.

私のとった写真ではわかりにくいので,こちらでご説明します.



写真は千葉市動物公園よりお借りしました


○で囲ってあるように,ナマケモノは爪をひっかけて木にぶら下がります.


その大切な爪が根元から折れてしまっているのです.


カゴの中のナマケモノは,何度も右前足を伸ばしてカゴに引っ掛けようとしますが,痛いのか,力が入らないのか,それができません.


数分たつと,目を閉じて静かに眠ってしまいました.

国立アマゾン研究所の獣医さんが,治療のためにつれていきました.


爪はまた伸びて,元のように木にぶら下がって生活できるようになるのでしょうか.


心配は尽きませんが,獣医さんの処置がうまくいくことを祈っています.



ブラジルでの初めてのフタユビナマケモノとの出会いは,悲しいものでした.

しかし,こうして生物たちが運び込まれてくるのが国立アマゾン研究所の日常であり,アマゾンの現状です.

助からない命も少なくありません.


アマゾンマナティーの調査の中で目の当たりにしてきた様々な問題をしっかり伝えたいと考えるようになり,社団法人マナティー研究所を設立し,新しい環境教育の教材開発を目指しています.


その一つとして,いま準備を進めているのが,「Academist」でのクラウドファンディングです.


研究者が現地にいって撮影した映像や写真などを使い,自分で学べるデジタル図鑑のようなものを作ろうと準備をすすめています.


プロジェクトは12月からの開始となりますので,またHPでも紹介いたします.




次回は,こちらでのアマゾンマナティーたちの様子を紹介します!

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