2021年の3月13日(土)に開催したオンライン・第3回海牛祭りについて、ご紹介します。
(てっきりレポートをあげたと勘違いしていて、遅くなりました…)
参加者は82名と、たくさんの方にお申し込みいただき、本当にありがとうございました!
海牛祭りってなに?
海牛類(マナティー、ジュゴン)をメインに、さまざまな生物の研究者や専門家が講師となって、わかりや すく生きものの生態や研究を紹介する、一般向けの科学イベントです。
マナティーについてもっといろんな 人に知ってもらいたい、と始めました。
誰もが気軽に参加できる楽しいイベントにしたい、という思いで「祭り」 とつけました。
今年は感染症の影響で対面イベントが難しい状況がつづいていたため、オンラインイベントに切り替えて海牛祭りを開催することとしました。
オンラインの利点を生かして、日本各地の研究者の皆様にご参加いただくことができました。ありがとうございました!
また、youtube配信をスムーズに行うため、株式会社アルファ企画様のご協力を得て、かっこいいスタジオfull depthでの撮影、配信を行いました。
初めての試み
海外のマナティー研究者の発表動画をご紹介させていただきました。
オンラインでの同時通訳は技術的に難しいため、自前に録画した発表動画を受け取り、それに字幕をつけてご紹介しました。
メキシコでのソナーをつかったマナティー調査、そしてカメルーンのアフリカマナティーの現状と保全対策、どちらも日本では聞く機会がない情報です。
みなさん楽しんでいただけたでしょうか?
研究発表のタイトル一覧です
食べる行動をかんたんに調べたい(菊池夢美・京大野生研 / マナティー研究所)
ジュゴンのロデオ!ー人魚姫はどこで眠るのかー(市川光太郎・京大)
バイオロギングで調べるマッコウクジラの潜水行動(青木かがり・東大大海研)
イルカの歯の不思議(小寺稜・鶴見大)
北海道でのシャチの暮らし(三谷曜子・北大)
まとめ - 海牛類と潜水動物について-(高橋力也・三重大)
カメルーンのアフリカマナティーの保全について(Aristide Takoukam・アフリカ海生ほ乳類保護団体(AMMCO)
濁った水の中の人魚 -ソナーを使ったマナティー調査-(Daniel Gonzalez-Socoloske・アンドリュース大)
希少動物の保全
研究発表のあとは、希少動物の保全と共存を考える場を設けました。
希少動物については保全するのが当たり前の前提として話が進められることが多いですね。
なぜ保全が必要なのか?なぜ絶滅させてはいけないのか?
みなさんはご自身で納得のいく考えをお持ちでしょうか。
研究者の気持ち
ジュゴンとマナティーの研究者2名によるディスカッションを行いました。
今回は、生態学的な理屈ではなく、対象生物と接してきて感じている素直な気持ちや意見を話すように心がけました。
この2名は、他と比べて特に研究が進んでいないフィールドで、海牛類研究に向き合い続けています。
それでもまだ、希少動物の保全や彼らとの共存について、はっきりとした答えを見つけることはできていませんが、自分なりの考えを少しづつ固めていっているところです。
話の中で、ジュゴン研究者の市川氏はわかりやすく伝えてくれました。
「失って初めてわかる大切さ」
だからこそ、手遅れになる前に、その大切さに気づいて行動しなくてはいけませんね。
また、京都大学野生動物研究センターの幸島教授による講演では、過去の事例を紹介しつつ、生物多様性の必要性を話していただきました。
参加者の皆さんも、このイベントで改めて、生物保全について考える時間を持っていただけたら、嬉しく思います。
保全パートの一覧です
保全についての意見交換(菊池夢美,市川光太郎・京大)
講演「なぜ野生動物を絶滅させてはいけないのか?」(幸島司郎教授・京大野生研)
2021年度も、2022年3月に第4回海牛祭りを予定しています!
詳しい情報は改めてご紹介しますので、どうぞよろしくお願い致します。
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