ジャパンGEMSセンターのご協力を得て、マナティーをテーマにした探究学習を開発しました!
夏休みのオンライン・ワークショップでこの教材をつかったので、ご紹介します。
マナティー大量死、センセーショナルなタイトルですが、実は2021年に実際に問題となっているフロリダマナティーの大量死をテーマとして扱っています。
アメリカのFWCの報告によれば、2021年1月から9月までに、942頭のフロリダマナティーの死亡が確認されました。
2020年の死亡数は448件の報告だったので、とてもたくさんのマナティーが死亡していることがわかります。
なんでこんなことになってしまったのでしょう?
環境の悪化や、それによってマナティーの食べるエサ植物が減少したこと、などが指摘されていますが、原因ははっきりとわかっていません。
特に水質の悪化は、何が原因でそうなってしまったのかを特定することがかなり難しいのです。そして、長い時間をかけて少しづつ積み重なってきた結果として、水質の悪化が起きている可能性もあります。
とても悲しい問題ですが、改めて「自然と生きもののつながり、大切さ」を考える機会だと思いました。
そこで、この問題をテーマにして、みんなと一緒に大量死の原因について考える探究学習を開発しました。
オンラインだけど実験を取り入れています!
ワークショップの様子はyoutubeチャンネルで紹介しています!
実施時間は1時間半とすこし長いのですが、夏休みワークショップのみなさんは、集中して一生懸命考えてくれました。
これが怪しいんじゃないかな?
どうしてそれがマナティーの死につながるんだろう?
ちょっと待って!これももしかしたら原因なんじゃないかな?
これも気になるなぁ。
とてもたくさんの意見や考えが出ました。
もちろん、大量死の原因がわかっていないので、正解はありません。そして、みんなで意見をあわせる必要もありません。
各自が考えてまとめていくことが大切な内容となっています。
探究学習については私も詳しく知らなかったのですが、やっていることはまさに研究そのものです。
自分が気になる疑問があったら、その疑問の何をしらべるかテーマを設定します。
そのテーマを調べるために情報収集して、それらを整理、分析、考察してまとめます。
研究の場合は、まとめた結果を発表します。そして、結果を発表したら、質問を受けたり、他の人の意見を聞いてディスカッションを行ったりします。
そうすることで、自分の考えがもっと明確になったり、この考え方はちょっと違ったなと気づいて軌道修正したり、新しい視点を知ったり、課題についてさらに深く理解するようになります。
先生から答えをもらう授業も必要ですが、ワークショップではこうやって研究の追体験をして、みんなが科学的に考える機会を増やしていきたいと思います。
来年の夏もワークショップを実施予定なので、ぜひみなさまお楽しみに!
2021年8月8日のオンラインワークショップの様子です。
手にナスをもっているのはなぜって?
それは…マナティーの皮膚の感触をつたえるためです!
8月のワークショップに参加してくださったみなさま、本当にありがとうございました。
また会えるのをたのしみにしています!
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