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国際学会でアフリカの共同研究が受賞しました

2024年にオーストラリアで開催された国際海生ほ乳類学会(SMM)で、カメルーンのアフリカマナティーについての共同研究が「最優秀アフリカ学生発表賞」を受賞しました!


おめでとうございます!




発表タイトル:Giant Salvinia invasion significantly influences manatee distribution and habitat use in Lake Ossa


Clinton Factheu, Athena Rycyk, Sévilor Kekeunou, Aristide Takoukam Kamla, Eric Angel Ramos, Mumi Kikuchi, and Lucy Keith-Diagne


外来種の浮草Salviniaは、カメルーンのOssa湖におけるマナティーの分布と生息地利用に深刻な影響を与えている



カメルーンのOssa湖には、たくさんのアフリカマナティーが暮らしています。


私たちは、NGO団体のAMMCO(アフリカ海生ほ乳類保護団体)と協力して、ここでマナティーの保全対策と調査をすすめています。


しかし、このOssa湖で、外来種のオオサンショウモ(Salvinia molesta)が大繁殖してしまい、湖や支流を覆ってしまったのです。


そして、調査の結果、野生のマナティーたちは外来種のオオサンショウモが覆っているエリアを利用しなくなった、ということがわかりました。

また、草食性のマナティーですが、このオオサンショウモを食べないこともわかりました。


こちらの解説も(見えないマナティーの調べ方



学会では、この調査結果を紹介しました。調査時には、湖の50%近くが浮き草に覆われている状態でした。


私たちは、この外来種の駆除に取り組んでいます。

昨年からは生物を利用した外来種駆除もすすめていて、大部分の外来種の駆除に成功しています。


こちらの解説も(外来種をどう駆除する?




ところで、みなさんは外来種と外来種問題について、ご存知でしょうか?


最近では、誤った情報や発信によって、外来種=悪者というイメージがつけられてしまっていることもあります。


すべての外来種は悪者で、駆除するべき、なのでしょうか?

いえ、ちがいます。

 

実は、外来種はわたしたちの身近な存在で、環境省によれば、日本の野外に生息する外国起源の生物の数はわかっているだけでも約2000種にもなるそうです(環境省 - 侵略的な外来種-)。


イネなどの農作物や家畜、ペットのように、わたしたちの生活に根付いている外来種や、自然の中で大きな影響を与えることなく、順応している外来種もいます。

 

けれども、わたしたちや生態系への問題となる侵略的外来種も存在します。

外来種の中で、地域の自然環境に大きな影響を与え、生物多様性を脅かすおそれのあるものを、特に侵略的外来種といいます(環境省 - 侵略的な外来種-)。


 だから、日本では、外来種被害予防三原則というものがあります

 

 1)入れない、2)捨てない、3)拡げない

 

こちらの解説も(外来種問題ってなんだろう?



なんと、カメルーンで大問題を起こしているオオサンショウモ(Salvinia molesta)は、日本のネットショッピングやホームセンターなどで、簡単に安く購入できるのです!


外来種の問題について正しく理解して、自分達が外来種の問題を起こす可能性がある、と十分気をつけなくてはいけない、と感じています。



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